Close

About

東京のコンテンツ制作会社が運営する
時事コラムサイト
株式会社オフィス・サウス

Prev Next
Image
Topics

100の祈り

2022.3.7

South Styleは、東京都で最初の緊急事態宣言が発令された2020年の5月1日にスタートし、本日100話目を迎えました。ここまで続けてこられたのは読んでくださる皆様と、取材にご協力くださった方々のおかげです。ありがとうございます。
本日は100にまつわるお話です。

100の意味

ことわざや故事、慣用句などで百がつくものは?と聞かれていくつ思いつくだろうか。

・百も承知
・可愛さ余って憎さ百倍
・百聞は一見にしかず
・百害あって一利なし
・酒は百薬の長
・風邪は百病のもと

四字熟語も。

・百戦錬磨
・百花繚乱

などなど。

特徴的なのは「百」が実数を表しているのではなく「数が多い」ことを表していること。
「八」がつくとさらに多数を意味するようになり「八百屋」「うそ八百」などのように使われる。

百観音と百庚申

百は「多い」意味に使われるも多いが、宗教の世界では本当に100ヶ所、100個あるものも。

仏教の世界では「日本百観音」がある。西国三十三所・坂東三十三所・秩父三十四所を合わせた、100ヶ所の観音巡礼を指す。そもそも「観音巡礼」は僧侶が「世間の悩み苦しむ人々を救うため」に行っていたもの。平安時代の中期からはじまったとされる。
これが江戸時代に一般庶民にも広がった。

33という数字は「観音様が33の姿に変身できる」という言い伝えがもととなっている。本来は秩父も33ヶ所だったが「キリが悪い」と追加され34ヶ所となった。

「百庚申」も実数だ。

庚申塔(庚申塚ともいう)とは道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられる石塔。「無病息災」や「長寿」を願うもので、こちらも江戸時代に大流行し全国各地に建てられている。

庚申塔の例

これが100基あるのが「百庚申」。「祈願のための供養は数多い方が効果的」という「数量信仰」に基づいていると言われており、こちらも全国にある。

2年が経とうとしているのに、いまだおさまらない新型コロナ。
まだまだ旅行には行きづらいが、平和と無病息災を祈りながら近所の観音様や庚申塔を巡ってみても良いかもしれない。

HIGHLIGHT

100話目を迎えたSouth Style。今後ともよろしくお願いいたします。