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Interview

内藤とうがらし®ものがたり㊦「究極の地産地消」

2021.3.22

一度は絶滅したものの「新宿内藤とうがらしプロジェクト」チームの努力で復活を果たした「内藤とうがらし」。(内藤とうがらし®ものがたり㊤「都会の真ん中のとうがらし」参照)。
今回は昨年からはじまった新たな取り組みと栄誉の受賞のお話です。

新宿への恩返し

新たな取り組み、それは畑のない新宿で「内藤とうがらし」を栽培する活動だ。都内で複数の飲食店を展開している三信商事(株)が「ビルの屋上」でのとうがらし栽培と、オリジナルの「内藤とうがらしメニュー」の提供をはじめたのだ。

三信商事は新宿をベースに75年以上飲食店を展開してきた企業。「いつか新宿に恩返しを」がオーナーの考えで、それが社員にも浸透しているという。新宿のことは熟知しているつもりだったが「内藤とうがらしの存在は知らなかった」と同社の青木氏は笑う。

「内藤とうがらし」との出会いは偶然だったという。もともとは新たな食材を探していたところ「たまたま」発見した。「これなら新宿へ恩返しができるかも!」と、その場で成田氏にメールを書き、今回の取り組みへとつながった。

究極の地産地消

三信商事ではビルの屋上に菜園を作っている。菜園にはプランターが12個設置されており、24本の「内藤とうがらし」の苗が栽培されている。コロナ禍でも、真夏でも、社員が献身的に水やりを行っているという。

収穫した「内藤とうがらし」は自社が経営する店舗で提供している。究極の地産地消だ。

オリジナルメニューはファヴェッタ(Trattoria Pizzeria Bar FAVETTA)で提供されている。ピザ(赤い宝石)とパンナコッタ、ソーダの3点。試行錯誤を繰り返してできたメニューだという。

内藤とうがらしを使ったメニュー

「鷹の爪」は辛味が強いが「内藤とうがらし」は旨味と辛味のバランスが良く香りが強いのが特徴。辛さ自体もマイルドで上品。「ピザは子どもでも食べられるほどの辛さしかありません」と店長。「香りが本当に良いんです」と続ける。とうがらしの葉も食べられるため、ピザの上にあしらわれている。

店頭には内藤とうがらしを紹介する「内藤とうがらしスタジオ104」が設置されており、製品の販売も行っている。

内藤とうがらしスタジオ104。You Tubeの配信スタジオにもなっている

「とうがらしロード」をめざして

活動開始から10年目の今年、プロジェクトは2つの栄誉を獲得した。
第50回日本農業賞「食の架け橋の部」で優秀賞を、全国地域ブランド総選挙で「とうがらし女子チーム(学習院女子大学)」が優秀発展賞を受賞したのだ。「活動が認められたことは素直に嬉しい」と成田氏。

新宿の飲食店での提供は、現在はファヴェッタのみで行っているが「自店が良ければいい、ではなく地域全体で盛り上げていきたい」と三信商事の青木氏。 今後は新宿の様々な店舗で「内藤とうがらし」を使ったメニューを提供していけるよう、活動を続けていくという。

ファヴェッタがある歌舞伎町一番街はネガティブなイメージも強いが「ここを内藤とうがらしロード」にしたいとメンバーは意気込む。

新宿のビルの屋上が真っ赤に染まる日が来るかもしれない。

※TOP写真提供 内藤とうがらしプロジェクト

INFO

内藤とうがらしプロジェクト Website
内藤とうがらしチャンネルYoutube
スタジオ104 at FAVETTA(Trattoria Pizzeria Bar FAVETTA) Website