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Contribution & Interview

日本初!?揚げたて天丼のキッチンカー

2020.10.12

「本日は完売しました!」
山本社長の威勢のいい声がビルの谷間に響いた。

東京のとあるビルの前に天ぷら屋のキッチンカーが出店していた。注文するとその場で天ぷらを揚げ、丼に盛って出してくれる。今までありそうでなかった「揚げたて天ぷらの天丼」を出すキッチンカーだ。

天ぷら屋のキッチンカー

このキッチンカーを出店しているのは、都内で「天ぷら串山本屋」やハンバーグ店などを経営する株式会社やる気カンパニー。これまで6店舗ほどを展開しているが、キッチンカーは初の試みだった。

まっていてはダメ、出ていこう

キッチンカー出店のきっかけはやはりコロナ。都内の店舗の営業時間制限や在宅勤務に伴う人出の減少など、他店舗と同じく大きな打撃を受けていた。

「お店で待っていてもお客様は来ない。こちらから出向こう。」それが山本家の出した答えだった。

そこから出向くための様々な方法を検討した。ランチだけではなくディナーでの出店も検討したが、なかなかこれといった方法や場所が見つからない。

悩んでいたところを助けてくれたのが「恵比寿天ぷら串山本家」の常連さんだった。彼女が働く企業(株式会社Mellow)がキッチンカーのプラットフォームを提供する事業を行っていたことから、キッチンカーへの出店を決めた。

キッチンカーは時間との戦い

キッチカーでの出店には「90秒ルール」がある。お客様をお待たせせず、敷地内で行列になってしまわないように「注文を受けてから90秒以内に提供する」ことが求められている。

この90秒が大変だったという。天ぷらの揚げ時間は素材によって違う。エビは90秒もかからずに揚がるが、このお店のウリである「かしわ天(鶏むね肉の天ぷら)」は90秒では揚がらない。通常の店舗運営の合間に試行錯誤を繰り返したという。

かしわ天は店舗のものよりやや薄く、舞茸は薄くカットし串打ちすることで時短に成功した。狭い車内でのやり取りや、盛り付けの段取りも研究したという。

息のあった動き

出店、撤収もスピードが求められる。特に撤収時間「1時間」は苦戦する出店者が多いという。「私達は実店舗のランチタイムで鍛えられていますから」と山本さんは笑いながらテキパキと片付けていた。

意外なお客様

キッチンカーの出店先はMellowが決める。ビルなどのスペースを持つ方と、出店者をマッチングしてくれる。

この日のキッチンカーは都内のオフィス街に出店していたが、前日には都内のマンションに出店していたという。当然お客様は主婦が多くなる。どれだけ売れるのか心配だったと言うが「揚げたての天ぷらが食べられるのは本当に嬉しい」という感想をもらい「意外だったが嬉しかったし、可能性を感じた」と山本社長。

今は週に3日ほどキッチンカーで出店している。

いつかイベント出店も

キッチンカーの制作には約600万円がかかっている。「店舗出店には5,000万円はかかりますから、安いといえば安いんですけどね」と山本さん。

さらに提供している天丼は800円と破格。正直、大きな儲けにはなっていないという。

「目の前の利益は求めていない。来年再来年に向けてできることをしていくだけ。」と山本社長。「経験を積んでイベントに出店できたらいいなとも思っている」と、続けた。

まさに動き続ける天ぷら屋さん。揚げたて天ぷらを武器に、都内を走り回っている。

COMPANY PROFILE

株式会社やる気カンパニー
〒107-0052 東京都港区赤坂6-9-10-204
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