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Contribution & Interview

コロナ禍でも売れる商品

2020.9.14

コロナ禍でカメラ市場は惨憺たる状況だ。そんな中、驚くほど売れているカメラアクセサリーがあると聞き取材に伺った。伺った先は銀一株式会社(以下、銀一)。

銀一とは

銀一は1956年創業の、主にプロ向けの写真・映像機材販売を行う企業。取り扱う機材の幅が広いだけでなくスタジオの設計・施工まで行う、写真や映像の世界で知らない人はいないといっていいほどの会社だ。

主なお客様は広告代理店や雑誌、報道などの業界で働くクリエイター。コロナ禍でどこもかなりの苦戦を強いられており、銀一の売上にも大きな影を落としている。

そんな中でも売上を伸ばしている製品シリーズが、RODEというブランドのマイクだ。RODEはオーストラリアの企業でユニークな製品を世に出しており、銀一はこの製品の正規販売代理店だ。

一眼レフカメラに取り付けるマイク

RODEの販売額は、2015年(販売開始)に比べ2019年度は3倍!2020年度は半期で既に前年比1.2倍という驚きの数字だ。中でもよく売れている製品群が2つある。

ひとつはデジタル一眼レフカメラの上に装着できる「オンカメラマイク」。一眼レフカメラのフラッシュを装着するスロットに付けて使うマイクだ。

オンカメラマイク

一眼レフカメラで動画が撮影できるようになったのは8年ほど前。そこから徐々にカメラの性能が上がり、より高精細な動画がとれるようになったことからプロが一眼フレカメラを利用するシーンも増えてきた。ただ、一眼レフカメラ本体のマイクでは物足りないと感じるクリエイターも多かった。

そこで登場したのがオンカメラマイク。カメラ内臓のマイクよりも音質がよく指向性が強い(マイクが向いた方向の音だけを拾う)ため、伝えたい音声だけをクリアに拾える。コンパクトでカメラに取り付ける形で持ち運びも使い勝手も良い。

映像の世界では本来なら「撮影」と「音声の録音」は別の者が担当するが、オンカメラマイクを使えばこれらを一人で行えると人気になった。

中でもRODEの製品はバッテリーが100時間持つことや、単三電池で置き換えられることなどから現場で重宝された。カメラの操作音が入らないようにするためのショックマウントは、イギリスの専業メーカーのもので高性能だ。

プロが評価するだけでなく、ユーチューバーがこの製品に飛びついたこと、Web会議需要が伸びたことも大きかったと担当者は言う。8,000円~30,000円台後半と比較的手を出しやすい価格だったことも功を奏した。

ユニークなアダプターとともに

もう一つの製品はワイヤレスマイクの「Wireless GO」。

Wireless GO

送信機と受信機のセットで、送信機は話者の襟元に装着し受信機は一眼レフカメラにつなぐ。縦横が約4.5センチの超小型のワイヤレスマイクだ。電源を入れるだけでつながる簡易性も売りだ。

この商品には面白い関連商品がある。「INTERVIEW GO」と名付けられたこちらは「Wireless GO」を取り付けて使うアダプター。スポンジ部分を外して「Wireless GO」を埋め込んで使う。

INTERVIEW GO

インタビュー撮影の際はピンマイクを使うよりも、ハンドヘルド型マイク(手で持つマイク)のほうが誰が話しているのか絵的にもわかりやすい。また、一眼レフカメラにはマイクのチャンネルが1つしか無くマイクが1セットしか繋げない、というデメリットもカバーできることから、こちらも人気商品になった。

音楽の分野にも挑戦

現在は飛ぶように売れているこれらのマイクだが、取扱当初は「やめちゃえば」と言われるほどの売上しかなかった。

担当者によるとどんな製品でも、日本市場は海外と比べると販売の伸び方に特徴があるという。日本はじわじわと伸び、あるところでぐっと伸びるのだそうだ。
RODEのマイクも「まだわからない」、そう思っているうちに今回の爆発があった。目に見えてわかる売上増は、コロナで落ち込んだ銀一全体の売上をカバーしはじめた。

RODEでは音楽専用のマイクも製造している。銀一でも音楽系のマイクの取扱もはじめるという。「まったくの門外漢なのでどこまでできるか・・・」といいつつも楽しそうな担当者の姿が印象的だった。

担当者が楽しむことも、売上増の一つのポイントかも知れない。
今後の動きが楽しみだ。

SHOP INFO

銀一株式会社
〒104-0052
東京都中央区月島1-14-9 旭倉庫1F
TEL:03-5548-5131
FAX:03-5548-5135
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