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Contribution & Interview

インフラ安全点検の世界②

2020.9.7

前回は主にトンネルの点検についてご紹介しました。今回は橋の点検についてご紹介します。

国土の大半が山である日本にはたくさんの橋があります。国が管理する国道にかかる橋だけでおよそ17万ヶ所、地方自治体が管理する道路橋はなんと140万ヶ所にものぼります。
国道のトンネルは約1万ヶ所ですから、その多さがわかります。

また、レインボーブリッジなどの大きなものから、小川にかかる小さなものまでサイズも違えば、作り、素材も様々です。ごく短い橋を除いて、すべて基本的には5年に1回の点検が義務付けられています。

点検の内容はトンネルと同様、基本は「目視」「打音」です。目で見てヒビやサビがないかを確認し、ハンマー等で叩いて音を聞きボルトのゆるみなどが無いかを確認します。
下図のような点検風景に出会ったことはありませんか?

従来の橋の点検イメージ

専用の車両を使って検査員をゴンドラで吊り下げ、橋の下をチェックします。ただしこの方法だと幅の広い橋の場合、橋の中央部分(イラストでいうとセンターラインの下辺り)にゴンドラが届かず点検がしにくいという問題点もあります。

トンネルの場合と同様、どうしても交通規制が必要になるため渋滞の原因になることもあります。

そこでこちらも画像診断の登場です。
橋のたもとや、船に乗って撮影したものを解析できるため橋の中央部分もしっかり点検できます。交通規制は必要ありません。場所によってはドローンを使って撮影することもあります。

橋の撮影イメージ

これは高精細の一眼レフカメラを使用しているからこそ実現できた点検手法です。
少し離れた場所からでも、橋の裏側の薄暗い部分でも撮影・分析が可能となったのです。

少しだけ具体的な手順をご紹介すると・・・
橋を端から何枚も撮影し、つなぎ合わせ、撮影時の歪みを補正します。ここまではトンネルの点検も同じです。できた画像をもとに「ヒビ(亀裂)」がないかどうかの確認に加え、「サビ」「塗装の剥がれ」なども確認していきます。

橋を遠距離から撮影したものを分析することで、橋全体のゆがみ(ねじれ)のチェックも行います。

トンネルや橋といったインフラの老朽化が進んでいます。国土交通省によると2033年までにはトンネルの半分以上、橋の7割程度が建設後50年を超えてしまいます。

安全検査の技術の確立と普及は急務です。サウスでも微力ながらお手伝いを続けていきたいと思っています。

HIGHLIGHT

橋の点検も撮影画像を使っておこなう手法が取り入れられています。