11月1日(金)〜5日(火)に、栃木県益子町で開催される「益子 秋の陶器市」に行かれる方、少し足を伸ばして酒蔵を訪問されてはいかがでしょうか? 実は、日本酒飲むならいい器で!と、欲(?)がどんどん広がるワタシ。器探しを兼ねて酒蔵を訪ねようと、一足先に、益子(ましこ)に向かいました。この日の足は真岡鐵道。スイカのような緑とオレンジ色の電車に揺られ、益子駅へ。駅前には観光協会があり、益子巡りの相談ができます。レンタサイクルを利用すると、酒蔵、陶器店巡りに便利かも。
まず、駅から徒歩10分ほどの外池(とのいけ)酒造店を訪ねました。迎えて下さったのは、まだ20代という店長さん。酒蔵の一角を占める観光コーナー・売店でお客様にお酒の魅力を語り、器や料理のご提案をする他、観光バスの誘致やイベントの企画など、外池酒造店を盛り上げるために奮闘している方です。「外池酒造店は、180年以上前に宇都宮で創業した酒蔵が、昭和12年に益子に移転してきたものです。水は日光連山の伏流水、お米は地元で採れる五百万石や大田原の酒米「玉栄」などを使っています。南部杜氏の親方さんが自分で栽培した『吟ぎんが』というお米で作ったお酒もありますよ」と、説明してくださいます。水は軟水ですが、親方さんはそれを辛く仕上げるのが得意だとか。この伏流水を使ったコーヒーが、観光コーナー・売店の喫茶店、ギャラリーカフェ『湧(わく)』で味わえます。
親方さんは「清潔であること」を徹底されるとか。そのため、繁忙期以外でも蔵の中には立ち入ることはできません。その代わり、展示コーナーが設けられていて、誰でもいつでも酒造りの流れや外池酒造店の歴史を知ることができます。
「うちでは、麹蓋でお酒を造っているんですよ」と、店長さんが展示された麹蓋を指して教えてくれました。蓋麹法は米を小分けにして作る時間も手間もかかる方法。手づくりの高級酒が生まれます。ビックリしたのは「一斗瓶」。つまり、一升瓶の10倍入る瓶ってこと。もう日本では作られていない瓶だそうですが、この瓶、持ち上げられるんでしょうか?!
観光コーナー・売店には、主要銘柄「燦爛(さんらん)」のラインナップの他、米焼酎「益子の炎」、とちおとめ(イチゴ)のリキュール、どぶろく、アイスクリーム、それになんと!化粧品までありました。テレビコマーシャルでも「杜氏の手がきれいなのは、米ぬかや酵母の成分が美容にいいから」というのがありましたね。外池酒造店さんではかれこれ10年以上も前から化粧品を作っているとのこと。展示コーナーといい、化粧品といい、外池酒造店さんは「先見の明」があるようです。
もちろん、メインは日本酒。「口あたりのいいまろやかなお酒ですから、食事しながら飲んでいただくのがお勧めですね」と店長さん。なんとこの若さで数年前に利き酒師の資格を取られたそう。お店でお客様とお酒の話をするのが楽しいとか。この日は、「燦爛 吟ぎんが」「笑い閻魔」「燦爛 辛口」「純米酒 燦爛」「純米吟醸生原酒 郷(さと)のめぐみ」を始め、米焼酎やいちごのリキュール、どぶろくまで試飲させていただきました。どぶろくは、なんと!11月中は無料で試飲できるそうですよ!
お得な情報はまだまだあります!外池酒造店が立案した「酔って見っけ(栃木県酒蔵巡りクーポン)」は、栃木県内4つの酒蔵を訪ねると各蔵で合計2,000円相当の特典が受けられるとのこと。クーポンは全国のコンビニにて1,000円で入手できます(2014年3月31日まで開催)。外池酒造店では、高級酒2種類の利き酒セットと仕込水コーヒー&酒カステラを楽しめます。
今年からは「ポン酒ガーデン」というイベントも始めました。夕方、店が終わった後、お弁当を食べながら飲み放題という企画で、店長さんの発案。「もっと気軽に酒蔵に来ていただければと思って」と、店長さん。毎回30〜40名もの参加があるほど人気のイベントです。「皆さんがとても喜んでくださるので、今後も続けていきたいですね。栃木に『燦爛』ありと、多くの方に知っていただきたいです」。参加されたい方、外池酒造店のホームページをチェックしてくださいね。遠方の方も、益子には宿泊施設がたくさんありますから、ぜひ!
そして、帰り道、私は陶器店を物色して、気に入ったぐい呑みを見つけました!「益子 秋の陶器市」は酒器を探しがてら外池酒造店で試飲のチャンスですよ!