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第2回 神奈川県 御殿場線 中澤酒造
地図 御殿場線 中澤酒造 「おいしい水の流れるところ、銘酒あり」
神奈川県西部は、富士山の伏流水や丹沢から流れる水が酒造りに適しているそうで、造り酒屋さんがたくさん!
う~む、どの酒蔵も魅力的だけど、今回は国府津から沼津までを結ぶ御殿場線にゴトゴト揺られ「松美酉(まつみどり)」という銘柄で有名な中澤酒造さんを訪ねました。
(左)御殿場線松田駅。昭和9(1934)年までは東海道本線でした。
(右)松田駅のホームの向かいが中澤酒造。電車が蔵のそばをゴトゴト走ります。













江戸時代から代々続く中澤酒造の趣ある門構え 10代目のご主人が酒蔵を案内してくださいました。
お酒を仕込むのは11~3月。酵母菌という目には見えない生き物を扱うため、仕込み前には大掃除、殺菌をするそうです。
麹を作る部屋は厳重に管理され、雑菌が入るのを防ぎ、温度・湿度が管理できる仕組みとなっています。菌は目に見えないため、いつのまにか持ち込まれるのがこわいとか。なので、仕込み中は職人さんは納豆を絶対に食べないそうですよ。
そういう聖域に入れていただき、ドキドキ!脈々と続く伝統を感じさせる蔵は冷んやりとしていました。

丹沢の水は「中硬水」で、酵母のエサとなるミネラル分を多く含みます。町の水道も利用しているという地下水をくみ上げ、仕込みに使っています。
酒米は、有名な山田錦(兵庫)や五百万石(富山・新潟)、あけぼの・雄町(岡山)などのほか、地元神奈川県の「若水」という銘柄も。中澤酒造さん自身も田んぼで若水を育て、それを仕込みに使っているとか。その銘柄「琴姫」は、ワインのようなフルーティなお酒でした。

かつては薪や石炭で酒米を蒸していた釜 江戸時代から続く伝統ある酒蔵 松田町には河津桜の名所があり、毎年2~3月に「桜まつり」が開催されています。このときに合わせ新酒を仕込み、また甘酒を作ってお客様にふるまうそうです。
河津桜の酵母を使ったお酒も造っているそうで、そのお酒「亮」は、桜まつりで完売となってしまうとか。飲みたい方はぜひ桜まつりに行ってくださいね!!











実は、わずかに残っていた「亮」も試飲させていただいたんですよ!
さわやかな味でした!!
その他、柑橘系フルーツのような「生酒 松みどり」、メロンのような香りのする「本醸造 しぼりたてのお酒」、ウイスキー感覚でロックで飲める「原酒」などさまざまなお酒を試飲。1つひとつ個性があって、毎日全部を少しずつ飲みたいと、ぜいたくなことを考えてしまいました。
そうそう、6月には「そうめんにあうお酒『澤のしずく』」が発売されるとか。気になる方、ホームページをチェックしてみてくださいね!
代表銘柄は「松みどり」 (左)河津桜の酵母を使った「亮」(右)「松みどり」の純米吟醸酒ケーキ













さて、御殿場線といえば、御殿場駅近くに「御殿場アウトレットモール」や「御殿場高原リゾート 時之栖(ときのすみか)」などがあり、お買い物や温泉がてら酒蔵訪問というコースも魅力的ですよね。
富士山を眺めながら沼津まで行き、海の幸を楽しむというコースも捨てがたいと思いました。

中澤酒造

創業文政8(1825)年。小田原藩の御用商人として大久保家に出入りし、藩公より酒名「松美酉(まつみどり)」を賜る。丹沢の伏流水を使い、純米酒と生酒にこだわる酒造りを展開。都内の人なら高田馬場にある「高田馬場研究所」で飲むことができる。酒蔵案内は毎年4月以降。必ず予約を。
http://www.matsumidori.jp/

御殿場線

国府津~沼津間60.2kmを走る。明治22(1889)年、東海道線として開通し、昭和9(1934)年に丹那トンネルができたことで、東海道線から分離されて御殿場線となった。山北駅から駿河小山駅までは桜並木のトンネルをくぐって走り、駿河小山駅から沼津までは富士山を眺めながら走る、風光明媚な路線だ。
沿線の観光案内「ごてんばせんネット」

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